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無落款の逸品?

 企画展の合間をぬって、普段はあまり展示できない大振りの掛軸と無落款の屏風を正面ブースに展示しています。中でも注目に値するのが無落款の6曲1双屏風2組です。

 

 1つは、江戸期の作と思われる「漢人・韃靼人狩猟図」屏風。江戸期はそれまでの武力一辺倒から文武両道が求められるようになった時代。一大文明を築いた漢人を文、東は中国・朝鮮から西は東欧にいたる巨大帝国を築いた韃靼人(タタール人・モンゴル人)を武の象徴として描いたものだそう。画風は雪舟の流れをくむ雲谷派に近いとのことですが、鹿に乗って逃げる猿やひっくり返った馬などコミカルなシーンも散見される面白い作品となっています。

 

 もう1つは、「菊と鴛鴦(おしどり)図」屏風。金雲(金霧?)の間から無数の菊花と、わずかにのぞく水面にたたずむ鴛鴦の夫婦を垣間見るというような構図です。ただこの屏風が他と違うのは、菊花の“胡粉盛り”がすごいこと。胡粉(ごふん)とは貝殻を砕いた粉末で白色の顔料などに使われていましたが、この屏風では草花がことごとく胡粉で盛り上げられているのです。中心となる菊花群にいたっては数ミリほどの高さがあり、その並び連なって咲き乱れる光景は圧巻です。

 

 これを機に、ぜひ足をお運びください。

 

【2018.09.02 Sunday 16:17】 author : watartid
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日本人による最古級の学術的解剖図を展示

 有名な杉田玄白の『解体新書』は訳本ですが、それに刺激されて1783年に日本人が初めて作成した本格的な解剖図が『平次郎臓図』です。刑死した平次郎を京都の医師・小石元俊が許可を得て解剖し、臓器一つひとつを忠実かつ微細に色付きで描かせました。その医学的価値の高さから、当時の高名な医師らが積極的に模写し、日本医学の発展に大いに寄与しました。

 現存するのは原本を含め13点のみ。その1つが今回展示する鳥取出身の医師・松島瑞境らによる模写(1789年)です。学術的にも貴重な資料になりますので、ぜひ一度足をお運びください。

【2018.08.25 Saturday 11:00】 author : watartid
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納涼展示替え

夏の暑さもひと段落といった感じの今日この頃ですが、

近年は9月に入っても暑いので油断が出来ません(笑)。

ということで渡辺美術館では、来館者の皆様に

暑さを少しでも和らげて頂こうと、

「真夏の伝奇シリーズ」と題した期間限定展示を

一部コーナーで密かに開催。普段はあまり展示されない、

伝承や妖怪、モノノ怪の類が描かれた、

掛軸と巻物を展示しています。

 

日本漫画の先駆けともいわれる「鳥獣人物戯画」などは

一見の価値あり!(複製ですが)。

これを機に、ぜひご来館ください。


・江戸期に鳥取で活躍した天才絵師、片山楊谷の3点

 「蜃気楼図」「朱鍾馗図」「菊慈童図」

・絵巻物4点

 月岡雪渓「百鬼夜行図」

 橋本秀峰「妖怪変象図巻」

 国宝「鳥獣人物戯画」(複製)

 重文「土蜘蛛草紙」(複写)

 

【2018.08.16 Thursday 11:20】 author : watartid
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